前回の続きです。1個だけ特注で物を作るとお値段が高くなるメカニズムについて、もう少し詳しくお話します。
例えば、新品1000円で購入したアルミ製のスタンドがあったとします。
このスタンドの足の部分だけを取り外して交換し、自分でイメージしたデザインでカスタマイズしたいと、日曜大工感覚で考えた場合。
もとのスタンドは1000円で買った物だから、足の部分を特注で金属加工業者に頼んでも大して費用がかからないだろうと思い、加工業者に見積もりを依頼すると、どうなるでしょうか?
まず加工業者は、掛かる経費を計算します。
長くて重い材料を1本だけ取り寄せれば、掛かる運賃は数千円。
これを加工して1本だけお客様に届ける時も、運賃は数千円。
これだけで、もう予算オーバー?(もとは1000円の商品ですから。)
さらに加工費がプラスされ、場合によっては冶具の費用も必要。
すると、材料費を別にして、足のパーツ1本だけに掛かる費用は数万円を越えることも。
その費用を10000個で割れば1個あたりの費用はわずか数円で済みます。
しかし、1個だけ作りたいので、費用を1個で割れば、数万円がそのまま丸ごと掛かってくる!
このように、誰でも少し考えて頂ければ、大量生産品は大量に作るから安いとご理解戴けるでしょう。
世の中には大量生産品が限りなく安い値段で販売されていて、激安商品が溢れるほどに氾濫しています。
それらは1個だけ買っても激安です。
だから、1個だけ特注で業者に製作を頼んでも安く出来ると思い込んでしまう、というか錯覚してしまうお客様が、実はとても多いのですね。
個人のお客様が気軽に日曜大工感覚で1個だけ作りたいとお考えの場合は、値段を聞いてびっくりです。
しかし!
最近は、「それでも特注品がほしい~!趣味に関してはお金に糸目をつけない!」といった個人のお客様はどんどんと増えてきていますね~。
次回は、工業メーカーさんなど業者様、法人のお客様からの、少量のご依頼についてのお話をしましょう。
当然ながら業者様の場合は、個人のお客様のオーダーとは根本的に異なります。